最終更新日: 2023-07-19
本記事では、”前歯”のみを矯正する「部分矯正」についてお話ししています。
全体矯正との違い、部分矯正が可能な症例、メリットやデメリットなどについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
「前歯の歯並びがずっとコンプレックス。矯正治療をしたいけど、費用が高すぎてなかなか手を出せない…」
そう考えている方も少なくないのではないでしょうか?
そんな方にオススメなのが、前歯のみを矯正する「部分矯正」です。
部分矯正は、前歯6本のみを矯正する矯正方法ですが、全ての歯を矯正する全体矯正に比べコストも時間もコンパクトに抑えられる点から人気を集めています。
ただし、部分矯正は残念ながら誰でもできるというわけではなく、無理に部分矯正を行うと矯正が失敗したり歯を失う可能性も…
そこで今回は、
などなど詳しくお話ししていきます!
部分矯正は、前歯(上の前歯6本、下の前歯6本)のみを治療する矯正方法です。
医院によっては2本〜3本のみを矯正できるところもあります。
矯正する歯の本数が少ないので、全体矯正に比べてかかる費用が少なく治療期間も短いので、気軽にできる矯正治療として幅広い人気があります。
部分矯正には「低コスト」と「見えやすい前歯だけを治療できる」という大きなメリットがあります。
そのため「前歯の歯並びが気になるけど全体矯正をするお金はない…」「前歯のちょっとしたずれだけを治したい…」という方にピッタリです。
また、全体矯正よりも短い期間で治療が終了するので、結婚式や発表会など大事なイベントを控えている方にも人気です。
治療をする歯の本数
噛み合わせまで含めて治療できるか
全体矯正と部分矯正の大きな違いは「治療する歯の本数」です。
全体矯正は、「生えている歯すべて」を矯正器具により動かし治療しますが、部分矯正では前歯部分のみを治療していきます。
また、全体矯正は見た目のキレイさだけでなく噛み合わせの治療も目的としていますが、部分矯正では奥歯を動かさないので噛み合わせの治療はできません。
他にも「全体矯正は抜歯をするが、部分矯正は抜歯しない」と言われることもあります。
しかしこれは誤解を生む表現で、正確には「抜歯が必要なほど歯のスペースがたりない場合は、部分矯正では治療できず、全体矯正しかできない」と言うほうがより正確です。
そのため、部分矯正ができるのは、不正咬合(歯並びの悪さ)が軽く前歯の調整だけで完結する方や噛み合わせに大きな問題が無い方が対象になります。
人によってコンプレックスに感じている歯並びはさまざまです。
部分矯正で治療が可能な症状をいくつかご紹介していきますね!
前歯から数えて3つ目にある少し尖った歯。
「犬歯」とも呼ばれるこの歯が異常に飛び出ている、または生えている位置が上にずれているなど、正常な位置から大きく外れてしまっている状態を「八重歯」と言います。
八重歯は特に目につきやすいので見た目が気になったり、歯磨きがしにくく汚れが溜まりやすいので虫歯や歯周病になりやすいといった問題があります。
八重歯はスペースが十分に無いために犬歯がズレて生えてくることが原因でおこります。
そのため矯正治療では、犬歯が並ぶスペースを作るために歯と歯の間を少し削りスペースを設ける「ディスキング」などを行い、歯のサイズを小さくすることで歯をキレイに並べていきます。
全体的にガタガタしている歯並び、「叢生(そうせい)」と呼ばれる歯並びは、矯正を考える患者様の中でも特に多いケースです。
日本人はあごが小さい人が多く歯が並ぶスペースがないために、全体的にガタガタした歯並びになりやすい傾向があります。
叢生があると歯が重なる場所が多く、普通に歯磨きをしても歯ブラシの毛先があたらずに汚れが溜まりやすくなります。
叢生の方は特に、虫歯や歯周病のリスクが高いので早めの矯正治療をオススメします。
重度な叢生の場合は基本的に全体矯正の対象になりますが、軽度なケースの場合は前歯の部分矯正でも治療が可能です。その場合は、ディスキングをしながら歯を並べていきます。
歯と歯の間に隙間が空いてしまっているすきっ歯。
歯科では前歯に隙間が空いてしまっているケースを「正中離開(せいちゅうりかい)」、その他の場所に隙間が空いてしまっているケースを「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼びます。
すきっ歯はそのままにしておくと見た目が気になるだけでなく、話すときに息が漏れて発音しにくいなどの問題が起こりやすくなります。
また、すきま部分に汚れが溜まりやすいので虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうこともあります。
すきっ歯の原因は、あごが大きいのに歯のサイズが小さい、歯が無い場所がある(先天性欠損)などの生まれつきのものと、指しゃぶりや歯の間に舌をさし込むクセなど、日々の習慣によるものがあります。
矯正治療では、矯正器具で歯を引っ張りながら隙間を埋めていきます。
特にすきっ歯は、歯を削る処置がいらないケースがほとんどですので部分矯正に向いています。
歯の位置は問題ないのに、歯が違う方向に捻れてしまっている状態を「捻転(ねんてん)」と言います。特に前歯部分に起こりやすく目立つので気になるという方が多いです。
捻転してしまっている部分は、歯磨きが難しく虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯が捻れてしまっている原因としては、永久歯に生え変わる歳に歯が並ぶスペースがなかったことによるものがほとんどです。
軽度な捻転であれば部分矯正でも十分に治療が可能です。
ディスキングなどを行い、歯を並べるスペースを開けてからキレイに並べていきます。
上の前歯が前に出てしまっている「出っ歯」ですが、歯科では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれています。
出っ歯の原因は、生まれつき上のあごが前に出てしまっている先天的な問題から、歯が並ぶスペースがなく前歯が前に押し出されてしまったり、子どもの頃に指しゃぶりをしていたりなど後天的な問題までさまざまです。
上顎前突の方は口を閉じていても前歯の影響で口がもっこりとしてしまい、見た目にもコンプレックスを感じる方が多いです。
また、お口を閉じづらいので歯が乾燥しやすく、菌が繁殖して虫歯や歯周病のリスクが高くなったり、噛み合わせが合わないことで顎関節症などのリスクもあります。
重度な上顎前突の場合は、外科手術や全体の矯正が必要になりますが、軽度なものであれば部分矯正でも治療が可能です。
ディスキングなどをしてスペースを作り、歯を後ろに下げながら歯を並べていきます。
・治療期間が短い
・費用が抑えめ
・気になる箇所だけ治療可能
・ケアが簡単で虫歯のリスクが少ない
全体矯正では20本以上の歯を動かす必要があり2〜3年ほど治療期間がかかってしまうことが殆どです。
その点、部分矯正では歯を動かす本数が少なく、距離も短いことから数ヶ月から1年ほどで矯正治療が終了します。
結婚式などの大事なイベントが控えていて「矯正治療に長い時間をかけられない!」という方にもオススメです。
矯正治療は自費診療になるため高額な治療費がかかります。
特に全体矯正では、費用が70万〜100万円程度かかるので、費用面で矯正治療を始められないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし、部分矯正では限られた歯だけを治療するので10万円〜40万円ほどで治療ができます。
今まで費用の面で矯正を諦めていた人でもチャレンジしやすいですよね。
歯並びはそこまで悪くないけれど、前歯の多少のズレが気になる…。
でも全体矯正をするほど費用も時間もかけたくない。
部分矯正では、特に人の目につきやすい前歯部分だけを治療することができるので、コストも時間も最低限で済みます。
部分矯正は前歯部分にのみ矯正装置をつけていきます。
器具がついている前歯部分は鏡で見やすいのでお手入れがしやすく、歯磨きがしにくい奥歯部分は器具がついていないので、虫歯のリスクも全体矯正に比べるとグッと低くなります。
マウスピース矯正であれば、取り外しが可能なので普段通り歯磨きをすることも可能です。
・全体矯正より仕上がりは劣る
・削った箇所げしみる可能性がある
・対応できない症例もある
部分矯正では前歯部分のみ矯正を行っていきます。
奥歯の位置はそのままなので、全ての歯を動かす全体矯正に比べると仕上がりはどうしても劣ってしまいます。
また、全体矯正は「噛み合わせ」と「外見」を治すことができますが、部分矯正は「外見」だけをキレイにする矯正方法ということを理解しておきましょう。
部分矯正では、抜歯をしない代わりに歯が並ぶスペースを確保するため「ディスキング」という歯と歯の間を少量削る処置をおこないます。
歯の一番表面にある一番硬いエナメル質は約1mm〜2mmほどの厚さがありますが、ディスキングで削る歯はほんの0.25mmほどです。
そのため歯自体に問題はありませんが、エナメル質が薄い人や知覚過敏気味の方はディスキングを行った後に冷たい水などがしみることがあります。
もし、しみる症状が続くようであれば歯科医院で知覚過敏用のお薬を塗ったりと対処法があるので、相談するようにしましょう。
残念ながら部分矯正は誰にでもできる治療法ではありません。
基本的に軽度の不正咬合に対応するものなので、重度のケースでは全体矯正での治療が必要な場合があります。
部分矯正ができない症例としては、
場合などです。
また、ディスキングだけでは歯を並ぶスペースが確保できず、抜歯が必要になるケースも部分矯正の対象にならないということを理解しておきましょう。
ここでは、具体的な前歯の部分矯正方法についてお話ししていきます。
表側・裏側矯正に使われるワイヤー矯正と、マウスピース矯正では方法が異なりますのでご自身に合ったものを選択するようにしてください。
矯正治療で最も主流である表側矯正では、1つ1つの歯にブラケットと呼ばれるワイヤーを固定する小さな四角い装置を固定した上で、ブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの引っ張る力で歯を動かしていきます。
表側矯正のブラケットは一度つけたら治療が終了するまで、ご自身で外すことはできません。
矯正治療の中でも一番オーソドックスな方法で、さまざまな症例に対応できるところが魅力ですが、矯正器具が見えてしまうというデメリットもあります。
最近では、白い器具を使った目立ちにくい表側矯正も出てきています。
裏側矯正では、表側矯正と使用する器具は同じになりますが、歯の裏側に器具をつけていくところが特徴です。
矯正器具が外側から全く見えないので矯正治療をしていることが気付かれにくいため、社会人の方にも人気があります。
一方で、費用は表側矯正に比べて高めの設定になっています。
マウスピース矯正では、患者様一人ひとりの歯形にあわせた透明のマウスピースを作成します。
そのマウスピースを患者様が自分で装着しながら歯を動かしていく治療方法です。
マウスピースは、1~2週間に1回ほど新しいものに交換していきながら一日最低でも20時間以上装着する必要があります。
ワイヤー矯正に比べて自分で取り外しが可能なうえに透明で目立たないので、若い方や社会人の方からも人気の矯正方法として知られています。
ただし、ワイヤー矯正と違い患者様自身がしっかりと自己管理する必要があるので、つけ忘れてしまうと治療期間が伸びてしまうというデメリットがあります。
カウンセリングでは患者様のお口の中を実際に診察しながら部分矯正が可能か、どんな治療になるのか歯科医師がざっくり判断していきます。
治療の費用や期間、不安に思っていることなども相談できるいい機会ですので、聞きたいことがあればこの段階でしっかりと聞いておくのが大事です。
ほとんどの医院が無料でカウンセリングをおこなっているので、気になる歯科医院があれば積極的に行ってみましょう。
カウンセリング後に矯正治療を始めると決めたら矯正治療がスタートします。まずは精密検査で治療に必要な情報を集めていきます。
主に歯形の採取、レントゲン撮影、セファロ撮影(頭部の側方を撮影するレントゲン)、歯科医師によるお口の中の診察をおこなっていきます。
ここで得られた情報をもとに歯科医師が治療計画を立てていきます。
※部分矯正の場合精密検査や診断が省略されるケースも多いです
精密検査で必要な情報を得られたら、矯正器具を取り付ける本格的な治療がスタートします。
歯と歯の間にスペースを作るディスキング、ワイヤー矯正の場合は、歯にブラケットを取り付けワイヤーを通していく処理、マウスピース矯正であれば患者様にマウスピースのお渡しと装着の練習をおこないます。
矯正治療がスタートした後は定期的に歯科医院へ通院し、器具の調整や、歯の動きのチェックなどをおこないます。
治療を計画通りに終わらせるためにも、忘れずに通院しましょう。
歯がキレイに並んだら歯の矯正治療は終了になりますが、その後並んだ歯並びを維持するための「保定期間」に入っていきます。
保定期間では保定装置(リテーナー)と呼ばれる専用の器具をつかって歯の後戻りを防止していきます。
保定装置にはさまざまな種類があり、取り外し可能なワイヤーを使った器具、マウスピース、歯に直接固定するタイプなどがあります。
保定期間は1年から2年ほどは必ず取るようにしましょう。長ければ長いほどキレイな歯並びを保つことができます。
前歯の部分矯正を検討している方には、スマイルモア矯正がおすすめです。
スマイルモア矯正は相談無料で、3Dシュミレーションもできるので、少しでも前歯の矯正をするか悩んでいる方は一度相談に行ってみることをおすすめします!
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前歯のみを矯正する「部分矯正」は、費用が安く短い期間で気になる部分だけをキレイにできるといったメリットがあります。
しかし、誰でもできるわけではなく軽度の不正咬合の方、抜歯が必要ない方の適応になるということを理解しておきましょう。
歯並びをキレイにすることで、笑顔にも自身がつき虫歯や歯周病のリスクが減っていきます。
一生美しい口元でいるためにも、悩んでいる方はぜひ矯正治療に踏み切ってみてはいかがでしょうか?
1番目立つ前歯の歯並びは、部分矯正ができるケースであれば、かなり短期間に費用を抑えて解決できます。
コンプレックスが解消されることで、人前で気にせずに思いっきり笑えることはとても幸せなことだと治った患者さんを見て感じます。
初診相談であれば5000円以内でできるクリニックがほとんどです。
部分矯正はできるかできないかの診断が最も重要ですので、信頼できるクリニックにぜひ一度相談されてみて下さい。
いかがだったでしょうか?
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