最終更新日: 2021-11-24
「矯正するためには、抜歯をする必要があります」
歯科矯正の相談に行って、そんなことを急に言われたらショックですよね?
でも矯正治療では、抜歯をオススメされる場合がよくあります。
今回は抜歯が必要だと言われた人に向けて、
について、歯科医師の先生と一緒にわかりやすく解説します。
そもそも、矯正治療をするのに、どうして抜歯が必要になるんでしょうか?
矯正で抜歯が必要になる理由を簡単にいうと、
「あごの骨が小さくて、上下の歯をキレイに並べるだけのスペースがないから」
なんです。
「歯をキレイに並べるだけのスペースがない」...ですか?
そうなんです!
たとえば、「7人がけの椅子に8人で座ろうとすると」、どうなると思いますか?
ギュウギュウ詰めになりますよね?
そのとおりです。
1人が押し出されたり、みんな少し体をよじって並んだりすることになりますよね?
歯並びでも同じです!
あごがせまいと歯が収まらなくなって、出っ歯になったり歯がデコボコに並んだりしてしまいます。
椅子から1人が立つと他の人がきれいに座れるように、あごと歯のスペースを調整することが「抜歯」になります。
「スペースがない場合でも、できるだけ健康な歯は抜かずに矯正したい!」
と考える人も多いでしょう。
歯医者さんも同じように、歯を抜かずに治療できないかをまず考えます。
歯医者さんは主に、以下の4つの方法を検討します。
1. 歯のアーチを横に広げる(側方拡大)
2. 奥歯を後方に動かす(遠心移動)
3. 歯を削って小さくする(IPR)
4. あごの骨を成長させる(小児のみ)
それぞれの方法についてわかりやすく解説します。
歯全体を外側に動かすことで、スペースを作る方法です。
あごの骨は水平方向(上の図の矢印の方向)に少し厚みがあるので、歯全体を矢印のように外側に動かすことでスペースを広げます
あごの骨の大きさは人によって決まっています。
このため、無理に広げると歯の根っこが飛び出してしまったり後戻りの原因となったりします。
元々歯が外側に倒れている人や、骨が薄い人は利用できません。
奥歯を後ろに動かすことで、スペースを作る方法です。
あごの骨に打ち込んだ小さなアンカースクリューを起点に歯を引っ張ったり、奥歯の奥方向にも効果的に力をかけられるマウスピース(インビザライン)を利用します。
昔は難しい技術でしたが、最近は技術が発達したため利用例が増えています。
個人差がありますが、大体2~3mmほどのスペースを広げることができます。
歯の表面を少しだけ削ることで、スペースを確保する方法です。
表面しか削らないので、歯が大幅に小さくなったりすることはあまりありません。
片面で0.2mm程度、両面合わせて歯1本あたり0.4mm程度まで削っても問題ないと言われています。
親知らずを除いても歯14本分の隙間を削ることができます。
単純計算では、最大5mmほどのスペースが確保できることになります。
人によりますが、少ししみるという意見を聞くこともあります。
これは主に成長段階の子どものための、あごの骨の発達を促す装置を使ってスペースを確保する方法です。
あごの骨を成長させる治療法のため、7~8歳くらいで歯並びが悪い場合、早めに矯正歯科を行っている医院に相談に行くことをオススメします。
いろいろな方法があるんですね。
結局、抜歯をするかどうかはどんな基準で決まるんですか?
抜歯が必要かどうかは、最初に説明した
「歯をキレイに並べるための十分なスペースがあるか」
に加えて、
「抜かなくても見た目はキレイになるか」
「機能的な問題は無いか(=口呼吸になっていないか、きちんと噛めているか)」
によって決まります。
なるほど。
さきほど紹介したような抜歯以外の方法でスペースの確保が難しい場合は、抜歯をオススメされるでしょう。
抜歯が必要な場合のデメリットが気になる人もいるでしょう。
そこで、メリット・デメリットを整理してみました。
それぞれ詳しくみていきましょう!
広いスペースが必要なのに抜歯をしないと、足りないスペースに無理に歯を並べることになりますよね。
その結果、歯が本来の位置からズレて、歯ぐきが下がったりするリスクがあります。
また、狭いところに歯を無理に並べることで、歯が押し出されてしまって仕上がりが出っ歯になる可能性があります。
抜歯をすることで、そのようなリスクを減らすことができます。
かみ合わせを改善すると噛んだときにかかる力がうまく分散されるため、歯の寿命を伸ばしやすいです。
気になる抜歯によるデメリットを解説します。
多くの人が歯を失うことを不安に感じるはずです。
実は、かみ合わせなど日常生活においては抜歯をしても特に問題はありません。
それでも抵抗感を感じるひともいるでしょう。
人によっては歯を抜いて前歯が内側に入ると、舌のスペースが少なくなります。
場合によっては気道が狭くなる可能性もあるので、気道が狭い患者さんの場合には抜歯できない場合があります。
抜歯が必要な理由や、メリット・デメリットを解説しました!
ぜひ納得できるまで先生と相談しながら、一番良い治療法を探してみて下さい。
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最後に、みなさんがよく疑問に思うことにQ&Aでお答えします。
日常生活を送る上で、噛み合わせへの影響が少ない歯を抜くことが多いです。
具体的には、
が候補となる場合がほとんどです。
親知らず(特に下あご)の抜歯は痛いですし腫れることがよくあります。
基本的に痛み止めが処方されます。
ただ、前から4番目か5番目の歯の抜歯は数分で終わることも多く、あまり痛くないという意見を聞くことが多いです。
はい。矯正治療のための抜歯は、保険適用外なので自費治療になります
医院によっても違いますが、1本あたり5,000~15,000円くらいの医院が多い印象です。
また、一部の矯正専門医院では抜歯を自院で行わないので、別の医院で行う必要があります。
はい。
隙間をきちんと埋めるように歯科医師が治療計画を立てます。
最初のうちは隙間が目立つこともありますが、おおむね1~1.5年ほどで埋まります。
以下の3つがメリットです。
詳しくは上述の「抜歯することのメリット」もご覧ください。
以下の2つがデメリットです。
詳しくは上述の「抜歯することのデメリット」もご覧ください。
いかがだったでしょうか?
抜歯に心理的な抵抗感や不安があるのは当然です。
ご紹介したとおり、抜歯をしないで矯正できるケースもあります。
ただ、矯正のためのスペースが明らかに足りないのに、非抜歯で矯正をすることにもリスクがあることを覚えておきましょう。
矯正治療では抜歯が必要となることがあります。
矯正を行うにあたり、顎と歯の大きさのバランスによって抜歯が必要となる事があります。
いかがだったでしょうか?
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